伊藤雅充

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選手中心の指導で可能性を最大限に

近年、スポーツの指導方法で注目を集めているのが、選手一人ひとりの特徴を大切にする指導法です。これは、日本体育大学の伊藤雅充教授らの研究チームが提唱したもので、選手中心の指導とも呼ばれています。これまでの指導のように、指導者が一方的に指示するのではなく、選手とよく話し合い、選手の考えや目指すものを理解した上で、一緒に練習の計画を立て、実行していくというものです。この指導法は、選手の自主性を重んじるという点で、従来の指導法とは大きく異なります。指導者は、選手の考えを聞き、尊重し、選手が自ら考え、行動することを促す役割を担います。たとえば、選手の得意な技術、苦手な技術、目標とする大会などを丁寧に聞き取り、選手自身に練習メニューを考えさせたり、目標達成のための計画を立てさせたりします。指導者は、その過程で適切な助言や支援を行い、選手が自らの力で成長していくことをサポートします。選手が自ら考え、行動することで、練習に対する意欲が高まり、より効果的な練習につながると考えられています。やらされている練習ではなく、自ら進んで行う練習だからこそ、集中力も高まり、技術の向上や体力の強化にも良い影響を与えるのです。また、自分で考える習慣がつくことで、試合での状況判断力や問題解決能力も養われ、選手としての総合的な成長につながります。この選手中心の指導方法は、多くの国や団体で取り入れられており、世界的な流れになりつつあります。日本スポーツ協会が推進する「プレーヤーズセンタード」も、これとよく似た考え方です。選手中心の指導は、これからのスポーツ界において、ますます重要な役割を担っていくと考えられます。