その他 未来のたんぱく質:水素細菌
水素細菌は、土や水の中など、私たちの身の回りの自然環境に広く存在する微生物です。顕微鏡を使わないと見えないほど小さな生き物ですが、その働きは地球環境の維持に大きく貢献しています。水素細菌の最大の特徴は、水素をエネルギー源として利用できることです。水素と酸素を反応させてエネルギーを得る過程で、水しか排出しないため、環境への負荷が全くありません。まるで小さな発電所のように、クリーンなエネルギーを生み出しているのです。さらに驚くべきことに、水素細菌は空気中の二酸化炭素を栄養源として増殖することができます。植物が光合成によって無機物から有機物を作るように、水素細菌も水素と二酸化炭素から自らの体を作る材料となる有機物を作り出します。このような生き物は、独立栄養生物と呼ばれています。植物は光合成に光を必要としますが、水素細菌は光を必要としないため、太陽光が届かない深い海の底など、様々な環境で生きることができます。水素細菌は地球環境の保全にも重要な役割を担っています。大気中にはごくわずかな水素しか存在しませんが、水素細菌はそれを効率よく利用し、大気中の水素濃度を一定に保つ働きをしています。また、水素細菌の中には窒素固定能力を持つ種類もいます。空気中の窒素を植物が利用できるアンモニアに変換することで、土壌を豊かにし、植物の成長を助けています。まるで縁の下の力持ちのように、水素細菌は私たちの生活を支えていると言えるでしょう。
