筋萎縮

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医学的作用

固定で衰える筋肉を防ぐ

私たちの体は、常に筋肉を作ったり壊したりする活動を行っています。健康な状態であれば、この二つの活動はバランスが取れており、筋肉の量は変わりません。しかし、怪我や病気などで体を動かせなくなると、このバランスが崩れてしまいます。筋肉を作る活動よりも壊す活動の方が活発になり、結果として筋肉の量が減ってしまうのです。これは、使われなくなった筋肉の萎縮と呼ばれ、例えば骨折でギプスを固定した場合によく見られます。ギプスで固定された部分は動かせないため、筋肉への刺激が少なくなります。筋肉は使われることで成長し維持されるため、刺激が減ると筋肉を作る活動が抑えられてしまいます。それと同時に、筋肉を壊す活動は活発になります。これは、体が省エネモードに切り替わるためです。動かない筋肉は体に不要だと判断され、分解されてエネルギー源として使われてしまうのです。そのため、ギプスを外した後は、固定されていた部分が痩せて細くなっていることが多いのです。さらに、固定期間が長ければ長いほど、筋肉の減少はより顕著になります。つまり、動かさなければ動かすほど筋肉は衰えていく、ということです。これは、加齢による筋肉量の減少にも繋がります。年齢を重ねると活動量が自然と減少し、筋肉への刺激も少なくなるため、筋肉が作られるよりも壊される方が多くなってしまうのです。このような筋肉の減少を防ぐためには、適度な運動を継続することが大切です。軽い運動でも、筋肉への刺激となるため、筋肉の合成を促進し、分解を抑える効果が期待できます。また、バランスの良い食事を摂ることも重要です。筋肉を作るためには、たんぱく質をはじめとする様々な栄養素が必要です。特に、高齢の方はたんぱく質の吸収率が低下するため、意識的に摂取する必要があります。怪我や病気で体を動かせない場合は、医師や理学療法士の指導のもと、可能な範囲で体を動かすようにしましょう。少しでも筋肉を動かすことで、筋肉の減少を最小限に抑えることができます。